摂食・嚥下障害とは?
お口の中に食べ物や飲み物を入れて咀嚼することを「摂食」、そしてそれらを飲み込んで胃まで送りこむことを「嚥下」といいます。
人は食事によって生きるために必要な栄養や水分を摂取しています。しかし、高齢者の多い現在の日本では、加齢などによる体力・筋力の低下や認知症などの病気によって摂食・嚥下がきちんと行えなくなる「摂食・嚥下障害」で困っている方が多くいます。
摂食・嚥下障害になると、「必要な栄養が摂取できない」「食事に対する楽しみが減る」だけでなく、飲食物や唾液が誤って気管に入りこむ誤嚥が原因で「誤嚥性肺炎」を引き起こしたり、脱水、食物が詰まることによる窒息によって命にも関わる場合があります。
そのようなリスクを軽減するため、篠原長寿歯科では、摂食・嚥下治療を実施しております。
摂食・嚥下障害の主な症状
- よくよだれが垂れる
- 食事の際にむせることが多い
- 食事の際に咳き込むことが多い
- 食べ物がのどに引っかかる
- 飲食物を飲み込むまでに時間がかかる
- 食事の所要時間が長くなる
- 食べ物がお口の中に残る
- 食べ物が鼻の方に逆流する
- よく発熱して肺炎が起こる など
上記のような症状に心当たりがある場合は、摂食・嚥下障害の可能性が高いため、ぜひ一度当院にて検査をおすすめいたします。
嚥下内視鏡を用いた検査を実施いたします
篠原長寿歯科では、VE(video endoscope・嚥下内視鏡)を使用した検査を実施しております。嚥下内視鏡検査は、直径約3mmのファイバーを鼻から挿入し、食べ物を飲み込む(嚥下)際の咽頭の状態や飲食物や唾液などが通過していく様子、気管への流入(誤嚥)などを直視下で確認します。
嚥下内視鏡検査の結果を基に、患者さま一人ひとりに合ったリハビリや口腔ケア、お食事等をご提案いたします。
摂食・嚥下障害にな主な原因
【形態・解剖的な異常】
歯周病をはじめ、歯の欠損や口内炎、口腔がん・咽頭がん、口蓋裂や顎の形成不全など、飲食物が通過するお口から胃までの間の器官の構造などに問題があることで摂食・嚥下障害を生じることがあります。
【神経・筋系の障害】
脳血管障害や頭部外傷、脳腫瘍、パーキンソン病、発達障害、脳性麻痺など、神経や筋系の障害によって摂食・嚥下障害を起こる場合があります。
【心理的な問題・疾患】
うつ病や拒食症、認知症などの問題や疾患によって摂食・嚥下障害を引き起こす可能性があります。
【加齢による機能の低下】
加齢によって各器官の機能が低下することにより、摂食・嚥下障害が生じます。
歯科医院で実施する摂食・嚥下治療
摂食・嚥下障害の原因は患者さまによって様々です。
例えば、歯を多く失ったいたり、合わない入れ歯を使用していたりすることによって摂食・嚥下障害を起こることもあります。
また、虫歯や歯周病になっている場合は誤嚥によって器官に細菌が侵入することにより、誤嚥性肺炎を引き起こすリスクが高くなります。
篠原長寿歯科では、患者さま一人ひとりの口腔内の状態や摂食・嚥下障害の度合いを考慮し、食事のアドバイスや摂食・嚥下のリハビリや口腔機能を向上させるためのトレーニングを実施いたします。
また、必要に応じて入れ歯の製作・調整、虫歯や歯周病治療、口腔ケアなどをご提案いたします。摂食・嚥下障害でお悩みの際はぜひ、一度ご相談ください。